『エアポケット』と僕

俗に言う『非日常』と呼ばれている現象がある

文字通り、普段通りの日常とは違う場面とでも言いますか

身近な例えで言うたら、学校をサボって、ふらふら街を徘徊する時のちょっと背徳的な感じとか。もしくは、寝ないで夜明けまで深夜の通販番組を見てしまった後の切ない感じとか

要は、いつものルーティンから外れた時に生じる空白の時間だね

僕は、そういう時間を過ごしてしまう事を『エアポケット』に入ったと表現している

ワレワレは年を重ねるごとに、背負うものは多くなり大きくなる。そして、『エアポケット』に入る回数は減っていく

日々の猥雑な日常業務をこなしていくには、逆説的に日々のルーティンを守る重要性が大きくなっていく

そうやって、1日1日を何事もないように過ごしていく。たまに脱線することもあるだろうが、大筋は守るようになっていく。そして大きなトラブルもない日常を過ごす事に神経を割いていく代わりに、心の中に何かが溜まっていく

だからこそ、自分が何もしなくていいルーティンから外れた空白な時間=エアポケットは絶対必要だ

いやね。なんで、この話になったんでしょう?

実は明日、日本に一時帰国する事になっていて、現在、荷物の準備が思いの外に早く終わってしまって他にやることがないわけだ

それで、ベルリンの街を徘徊してて、久々に『エアポケット』に入ったんだ。幸せだったなぁ

何の目的もなく、色んなお店を覗き回って歩き回る。カフェで珈琲を何杯もお代わりする

日常のルーティンから外れた時間帯で、日本の事を色々、思い出していたんだ

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思い返すと僕が10歳の頃って、まだまだ日本には怪しい職業が多かった気がする

例えたら、怪しげな気功師や霊媒師

もちろんもちろん、ちゃんとした気功師の方もおるだろうし、霊媒師の方もおるだろう

だけど、昔の方が怪しげなのが多かった気がする

というのもさ、僕、耳悪いじゃん? オトンのオトンやオカン(以下、おじん。おばん)は僕が小さい頃、よく僕を連れていろんな気功師や霊媒師のところにいったもんだ。僕のオカンも連れてね

オカンって、どっちかというとあんまりそういうの信じてなかった気がする

まぁまぁ、でもでも。おじんやおばんの好意もあるじゃない?

まぁまぁ、断るのもよくないじゃないというあれで、まぁ、行くよね

それに何より、良くなる可能性があるのなら、何でもトライしてみたい気持ちもあっただろう。で、気功師のとこに行く。まぁ、もう時効だから言うけど、怪しげな気功師だった(以下、Mr.スピリチュアル)

まぁ、そういうのって定番パターンというのがあってね。大概が古民家っぽいとこに診療所みたいなの構えてるんだよ

まぁまぁ、僕はおかん、おじん、おばんが見守る中、Mr.スピリチュアルの前で横になる

Mr.スピリチュアルは唐突に僕の耳のあたりに手をかざして気を送り始める

『暖かくなってきましたか?』

『はい!』

そりゃ、そうだろう。手を触れるか触れないかのギリギリの距離まで耳に近づけたら誰でも暖かくなるだろう。あんなもん。気じゃないわ!現象だわ!

でも、言えないよね?なぜって、おじんやおばんが期待を込めてこっちを見てる

子供心に期待に応えたいもの

子供心にコレは無理だろ?っていうの分かっても、ここでは素直に、まな板の鯉である

『何か感じますか?』

Mr.スピリチュアルが聞いてくる

『何か効いた気がします』

効いてない効いてない。ま、何かが効いたことにしておこう

大事なのは、おじんやおばんの気持ちである

人間、病は気からという言葉があるように意外とこういうのって、大事かもな

ま、難聴は気の持ちようじゃ治らんがね。そこら辺は割とシビアなのだよ

案の定、家に帰った後にオカンが聞いてくる

『効いたの?』

『。。効いてません』

こういうように、気とか、霊的なものには昔から良い縁がないようだ

 

閑話休題

 

小学生の頃に友達と友達のオトン、僕の三人で富士山、登ったんよ

登頂成功して、下山する時にさ、富士の樹海の近くを通って下山するコースを選んだんだよね

僕が選んだんじゃないよ?友達のオトンがガイドだからね

そんな怖い下山コースあるのかね?普通なのかな?

ままま。怖いんだよ。なんかね、凄い深い森に一本道があって、友達のオトンを先頭に、続いて友達、最後尾に僕の並びで、そこを通って行くんだけど、何か、歩いていると常に背後に何かがいる気がするんだよ

何回も振り返るけど、何もいない。誰もいない

通ってきた一本道しか見えないんだけど、霧が深くて、それすらもちゃんと見えない

『最後尾、やだな。』

怖くなって、友達に並びを変わってと頼んだんだよ

『やだ!』

友達も、何かを感じてるらしい。振り向きざまに即答やった。。っていうか、ビビってた。。

背後に何かいるの感じながら何時間も歩いて、無事、その森を抜けた時、友達が何か不気味なことを言っている

『刀を持ったサムライがいる』

急に変な事言いだすなって思ったけど、よく分からないじゃん?

あ、いつもチャンバラごっこやって遊んでるから、そのノリかな?って思うわけだ

『うん!いるいる!サムライいるいる!』

友達は、それに飽き足らず、自分のオトンにも向かって、同じこと言ってる

『漫画の読みすぎだ!いいかげんにしなさい!』

怒られてた。僕は状況が読めず、ワケワカメだ

しばらく経って、僕のオカンのところに友達のオカンから連絡があった

その友達、、取り憑かれていたらしい。。

『けんちゃんは何ともないの?』

『何もないみたいね』

そうか。僕が下山中の森で背後に感じてたのは、サムライだったのか

取り憑く霊も相手を選ぶのかね?わざわざ、最後尾の僕を通り越えて、前にいた友達を選ぶ意味が分からん

アリスにその話をしたら

『きっと、あなたは耳が悪いから、霊の声が聞こえなかったんじゃない?』

『違うね』

『きっと、そうよ。』

『そうじゃなくてね。。』

『結構、霊的なものって聴覚とかも関係あるのよ。きっと、そうよ!』

『。。いや、その友達も耳が悪いんだよ』

『。。。』

そんな、霊感おそらくゼロな僕ですが、不思議な体験をした事がある

大人になってからとある場所に車で旅行行った時の話だ

とある山にある露天風呂に行こうと、カーナビにあらかじめ、そこの住所を調べて打ち込んで車を走らせた

山の上の方にあるから、一本しか道路ないから楽に着くなって思ったんだが、カーナビが指し示す住所に着いても何もないんだ

見渡す限り、森が広がっている

少し進んでも何もない

来た道戻っても何もない

ぐるぐるしているうちに道路を外れて、森の中にある獣道を突き進む羽目になった

ナビを見ると、森の中を進んでるんだ。森以外に何もない

怖いなぁ、戻ろうかなと思った矢先、急に視界が広がるように森が切れて、巨大な古い銭湯が現れた

『これ?』

だが、巨大な銭湯なのに、駐車している車が一つもない

ただただ、巨大な空間に古い銭湯が『どん!』とあるんだ

暖簾をぐぐって、中に入ると、番台におじいさんが座ってて、びっくりした顔でこっちを見てるんだ

『。。。』

おじいさん、ずっと固まっている。しょうがないな。声かけるじゃん?

『。。やってますよね?』

おじいさん、何て答えたと思う?

『何で、、分かったの?』

『はい?』

『何で、、ここが分かったの?』

『いや、車を走らせてたどり着いたんですよ』

『。。。』

おじいさん、ずーっと『おかしいな、おかしいな』ってブツブツ言ってるの

僕も『おかしいな、おかしいな』って言いながら、更衣室に入って、着替えるんだけど。。

 

僕も今更、気付くんだけど

 

その銭湯、すっごいレトロなの。もう、昭和初期の感じで、時間が止まっている感じ

いや、昭和を超えて、大正までいっちゃってるね。空間が全部、黒い木で出来ていて、大正ロマンっていう感じやった

更衣室の前に古い古いパチンコ台があるんだけど、動いていないの。ていうか、パチンコに書かれている日本語が、逆表記になっているの

パチンコ台の横に大きい時計台も置いてあるんだけど、それもやっぱり動いていないの

文字通り、『大きなノッポの古時計』の世界だ

 

そして、きわめつけは、僕以外にお客さんが誰もいない

 

お風呂場なんてね、お客さんが誰もいないから、お湯の煙が充満しすぎて、視界1メートル未満な異様な空間が出来上がっていた

 

しかも、。ぬるい

 

ここまで雰囲気で盛り上げといて、肝心の湯がぬるいという『ぬか喜び感』って人生の中には数え切れないほどありますね。だけど、豊かな時間だったな。『エアポケット』感を感じながら、時間をかけて、ゆっくりゆっくり体を温めた。っていうか、肌寒くてちゃんと温めないと出れない

日本の事を思い出す時、何故かそういう『エアポケット』にまつわる思い出を思い出す

『エアポケット』とは、日々の忙しいルーティンワークの流れの中に、不意に現れる奇妙なバグのようなものであり、人間が人間らしくあるために必要な無意味な空白の時間なのだろう

 

とりとめもないバグのような文章をダラダラと書いてみた。なんちゃってな

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日本行きのフライトまで、8時間を切った

 

bye

Kensuke Saito

from Schönhauser Allee, Berlin GERMANY

 

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