今回の日本滞在中に、おかんに美味しいご飯をご馳走しようと決めていた
おとんとおかん
二人とも僕にとって大きな存在だわね
でもねぇ、物心ついた時に両親は離婚していて、ずっと母子家庭で育った環境もあって、おとんは今でも親というよりは憧れの存在なんだわね、ちょっと遠いというかね。靄がかかっている感じ
「父の恩は山よりも高く 母の愛は海よりも深し」という昔からの格言がありますが、まぁまぁ、そんな感じ。父は高く遠い
東京は青山に、おとんが昔からやっている喫茶店があるんだけれど、日本に帰る度に、おとんのお店に行く。。時もあれば、行かない時もある
行った時は、おとんの煎れた珈琲を飲むんだけど、行かない時は行かない時で、おとんのお店をチラリと遠くから見たりする
なんていうんだろうね。お店で今でも働いている感じが分かれば、嬉しいっていうかね
僕も頑張っているし、おとんもまだまだ頑張っている。それが分かるだけで、充分な時もあるっていうかね
ままま、僕が勝手に様子を見に来たりするだけだけどね。おとんがまさか、ベルリンまで来ないだろう。来たら来たで、こっちが隠れちゃいそうですけども
そんな「おとん」不在な環境もあって、きっと僕にとって、「おかん」という存在は大きいんでしょうね
でも、べったりしてたかといえば、ちょっと違う。家を出たのは早いし、何ヶ月も連絡しない事もある。学生時代は遊んでるし、社会人になったらなったで、毎日会社で働いている
疎遠になるわけじゃないけど、おかんはおかんで、僕は僕で、それぞれの人生を自立して歩んでいる
そんな風に思っていた
ベルリンに住みだしてからなんだわね。おかんの愛に気づけたのは
自分が「釈迦の手のひらの孫悟空」だと感じるほどに、おかん(母)の愛は深く大きい
ベルリンでの落ち着いた生活の中で、改めて自分のそれまでの人生を振り返った時に、おかんが色々と僕のために骨を割いてくれた事が、想像以上に多い事に気がついた
日本に住んでいる時に気づけよ。という話だとも思うけど。。きっと気づける人もいるんだろうし、もっと早い時点で気付く人もいる。そして、そうじゃない人もおるだろう。人生色々だ。略して「人それぞれ」
ある日、メールで感謝の気持ちを送ろうと決めました。改めて
親に感謝の気持ちを伝えるって、異常に照れるじゃない?
でも、意を決して、感謝の気持ちを伝えるメールを送るようにしてみた
僕の急な変化におかんもびっくりしてましたが、それから僕の中で何かが変わった気がする
色々な意味でカッコつける必要がなくなって楽になった
あぁ、ずっと肩肘張ってたのかと。。
「肩肘張る事」と「頑張る事」は違う事が、分かってからは、周りの色々なものに素直に感謝できるようになったと思う
思い返せば、ヨーロッパに移住しはじめて何年かは、僕の経済状況はドン底だった
たまに日本に帰っても、おかんにご飯をご馳走する余裕もなかった
自分で選んだ道だとは分かっていても、大変だったな。。
美味しいご飯を食べにも行けないとはこういう事かと。。
それから少しずつ、少しずつ、状況も良くなってきて、大事な事にお金が使えるようになってきた
大事な人に少しの事でもいいから何かしてあげられる事、それが一番に嬉しい事だ
おかんに美味しい料理をご馳走する
これから少しでも多く、思い出に残る美味しいご飯を一緒に食べよう
次に帰ってくる時は、おとんの珈琲も飲みに行こう
今回の日本滞在は短い間だったけれど、色々な大事な思い出が作れた旅になりました
また、お会いする日まで。ちゃお
shooting from the sky
Japan to Berlin (8910km)